【ビジネスハック】人を育てるなら習熟度に合わせて指示の抽象度を変えよう
マネジメントをする上で人を育てることは重要な業務の一つです。
以前、プロジェクトマネジメントの記事でも人を育てることに触れましたが、
ここではさらに深堀していこうと思います。
習熟度
ある役割や新しいタスクの実施をプロジェクトメンバーに期待しているという状況だとします。
その際に、そのメンバーがその新しいタスクに対してどれだけ理解が深いかを習熟度と呼びます。
例えば、初めてのタスクで、かつ、類似のタスクも実施したことが無い場合、誰かからインストラクションをしてもらって、メモを片手に実施することかと思います。
それでも、初めてなので、時間がかかったり、失敗してしまったりすることもあるかもしれません。(ここでの失敗は目に見えるわかりやすいトラブルや、指示した人の期待値に足りない等が想定されます。)
一方で、例えば、同じタスクを既に経験済み、あるいは、類似のタスクを実施したことがあり、誰からのインストラクションも必要とせずメモも見ずにタスクを進められるような状況もあるかと思います。
あるいは、そこまでいかなくても、以前のメモを片手に問題無くタスクを進められるということもあるかもしれません。
明らかに、前者と後者ではタスクに対する習熟度が異なります。
さて、このような状況下で、指示を出す側は同じ指示を出して良いでしょうか?
また教育的な観点で見た時には、どのように指示を出すべきでしょうか?
前者のイメージ
後者のイメージ
※ 上記はイメージです。しかし、イラスト屋さんのイラストの種類は本当にすごいですね。無い画像が無い気がします。
習熟度が低い場合
習熟度が低い場合には、指示の抽象度はできるだけ低くして、具体的な指示を出すべきです。
前述の通り、そもそものやり方の分からないタスクを振っているため、具体的な手順を示さなければ、支持された側は何もできません。
簡単な例ですが、会議室を予約するには、このLINKを開いて、このボタンを押して、〜〜〜のように、一つ一つの手順を説明する必要があります。
他には、xxの調査資料を作成してもらうというタスクであれば、インプットとなる情報はxxから取って欲しいであったり、アウトプットのフォーマットはこちらで作成したものに合わせて埋めてほしいというように、より具体的な指示を出します。
育てるという観点で重要なのは、同じ説明を二度としなくて済むように、単独でできるようになるまで理解してもらうことです。
後者の調査資料作成の場合には、なぜ最終的なフォーマットにAという項目や Bという項目があるかといった考え方も合わせて教えるべきです。
プロジェクトメンバーが今後、単独で実施できるようになるためには、なぜ指示する側がこのようなことをタスクが必要となったかの背景や、それに照らしてどのような考え方でインプットやアウトプットを想定しているかを理解させることです。
ちなみに、習熟度という軸以外に、タスクの複雑度も存在します。どれだけそのタスクが難しいかです。
例えばですが、複雑でないタスクの例として、会議室の予約のようなタスクがあります。
複雑なタスクとしては、システム開発におけるコンパイルやリンケージのように、各社の開発環境に依存するようなものもあります。
この複雑度を考えると、前者と後者では手厚さを変えるべきです。
後者については、例えば実際に、そのやり方を見せても良いかと思います。あるいは、詳細なイメージ付きの手順書を配布することも手だと思います。
特に、他の人に迷惑をかけるような注意点がある場合にはしっかり伝える必要があります。
習熟度が高い場合
習熟度が高い場合には、むしろ、指示事項の抽象度を可能な限り上げて、プロジェクトメンバーに取っての自由度を上げます。
ここで自由度が高いとは、そのタスクについての進め方について、コントローラブルな状態を指します。
人間はコントローラブルな状態でない場合、ストレスを感じます。
また、言われたことをやっているだけでは自発的に考えることをせずに、指示待ち人間ができあがっていきます。
上司がうまく仕事を任せられない場合、部下はうまく育ちません。
そういった部下を前に、ストレスを感じているならば、自分が反省をした方が良いです。
そうしてしまったのは自分です。
そして、抽象度の高い指示が重要なのは、指示する側の期待値を超える可能性があることです。
進め方について、プロジェクトメンバーに考えさせるため、指示する側の考えを上回る新しいやり方や、新しい観点で進めてくれる可能性があります。(逆もまた然りです。)
そのため、何かの調査であれば、AAについて調査して、パワポ5枚くらいで送付よろしく!くらいの指示で大丈夫です。もちろん、背景やら観点やらを伝えた上でです。
ただし、気をつけるべきは投げっぱなしにしないことです。
作業に取り掛かる前に進め方を確認しておく、中間ポイントを設定して状況を確認する等で、最終成果物を作成する前に、方向性が修正できるようにします。
作業が先に進みすぎると、手戻りが大きくなり無駄な時間、コストが発生します。
また、そもそも、このタスクの責任自体は、プロジェクトメンバーかもしれませんが、その成果物自体の責任は指示した側にあります。
まとめ
ここまで人を育てる際の指示事項とその抽象度についてお話ししました。
人を育てるって難しいです。
一つ一つのタスクが相手にとっての成長になるように、マネジメントする側は常に考える必要があります。
もちろん、人によっては習熟度や、性質が異なるため、それぞれに適したやり方を常に模索する必要があります。
日々の積み重ねが大きな成果を産むようになるでしょう!!!