【ビジネスハック】トレードオン思考でトレードオフを超えた案を出そう!
世の中には何かを得ると何かを失うトレードオフの関係がよく転がっています。
例えば、よく言われるのは、品質とコストです。
何らかの製品、ソフトウェア、料理、あらゆるもののクオリティを上げようとすると、その分、時間やお金というコストが増えることになります。
言い方を変えると、品質を得るためには、コストが必要となるというトレードオフの関係にあります。
トレードオフの関係はその辺によく転がっています。
- 勉強と遊び
- 仕事とプライベート
- 健康とジャンクフード
- 出勤前の朝の時間と睡眠時間
トレードオフの関係を前に、どちらを取ろう??と考えていませんか?
それではもったいない!
まずは、そのトレードオフの良いとこ取りができないかを考えてみましょう。
片方を得たら、片方を失うという「トレードオフ」を打破して、両方得るという「トレードオン」してしまいしょう!!
今回の記事ではそのための思考法であるトレードオン思考について紹介していきます。
mohamed HassanによるPixabayからの画像
トレードオン思考とは
トレードオン思考とは、トレードオフの関係となっている相反する2つの観点を整理して、その2つを同時に得られるように考える思考法です。
通常トレードオフの関係となっているものは、以下の図のように、どちらかを得るとどちらかを失うことになります。
縦軸を品質、横軸をコストにします。
横軸がわかりづらくなってしまいましたが、右に行けば行くほどコスト安と捉えてください。原点に近づけば近づくだけコスト高になることを表現しています。
この図から分かるように、品質を上げようとすると、丸が原点に近づくためコスト高となることが分かります。
トレードオン思考では、このような状態から考え方を切り替えて、縦軸も横軸も両方を得られるように思考していきます。
以下の図のような点を考えてみることなります。
- まあまあのコスト(最大値の6割)で高品質(最大値の8割)を出す方法が無いかしら?
- 低コスト(最大値の3割)で少々の品質向上(最大値の4割)ができないかしら?
- 低コスト(最大値の3割)で高品質(最大値の8割)ができないかしら?
品質かコストかどちらかしか得られないと言う状況を打破します。
このように各軸に対して、適当に4つの象限に分割して考えるだけでも、3つくらいの案を出さなきゃいけなくなります。
一方で、このように整理することで、これまで「トレードオフだ。どっちを諦めよう、、、」という思考から一歩進むことができます。
ここから、捻り出してみれば良いのです!
これがトレードオンです。言うは易しですが、ここからがまた難しいですね。ただし、闇雲に考えるよりも、少しは検討しやすくなっていると思います。
トレードオン思考の方法
トレードオン思考については、以下の順番で進めます。一つ一つ解説していきます。
-
何を得たいかを定義する
-
得るために失うものを定義する
-
トレードオンを挙げ出す
何を得たいかを定義する
いつも通り、論点の設定です。ここでは何が解決したい課題なのかを定義します。
例えばですが、傘について考えましょう。
新しい傘を考えましょう。(毎度、傘ですみません。傘が好きなんです。)
傘は持ち運びが面倒です。そして、私はいつもどこかに置き忘れます。
また、傘を持っていると、電車で本を読むにも手が塞がっているので、なかなか鬱陶しいです。
そこで「手元の自由さ」を得たいものとして定義します。
新しい「手元の自由な」傘を考えます。
得るために失うものを定義する
次に、得たいものを得るために、現状失っているものを考えます。
これは、反対の事例を考えてみると考えやすいです。
例えばですが、傘に対して、他の雨具を考えます。手元が自由な雨具として合羽が思い浮かびます。
傘を持たずに、合羽を着ることで失うものは何でしょうか?
オシャレ感ですね。
縦軸を「だささ」 ⇅ 「オシャレ感」
横軸を「手元の自由さ」 ⇆ 「手元の不自由さ」
として定義します。
この定義に基づきプロットすると以下のようなグラフができます。
本当にトレードオフか?と言う疑問は湧きますが、雨具界隈では、合羽と傘が2強であることを考えると、あながち、間違っていないのかもしれません。
トレードオンを挙げ出す
最後に、トレードオフとなっている2つの軸について、どちらも得ることができる方法を考えます。
手元が自由でかつオシャレなものを考えれば良いのです。
ちなみに、図は4象限にしていますが、必ずしも4象限で挙げ出そう!と言うものではございません。ただ、それくらいの意気込みで複数意見を出してみることをお勧めします。
【トレードオン】
- オシャレで普段使いできるアウターのような合羽の作成
- 肩掛けの傘袋の作成
項番1のイメージ
もう世の中にありますね。
項番2のイメージ
刀のようにかつぐ、差すができれば、一つの傘の進化ではと思いました。腰に差しているとそれはそれで公共の場では邪魔になりそうですが、、、、
使い所
傘の例でここまで説明してきましたが、使いどころは以下のような場面と思っております。
二項対立する論点が出てきた場合
何かを成し遂げるために、何かが制約となる場合
すなわち、トレードオフに直面した時です。
トレードオフを超えて両方を得る思考法のため、ある意味当たり前なのですが、ここで大事なのは、トレードオフを理由に思考を止めないことです。
超えられる壁だと思って取り組むと不思議と何か出てきます。
トレードオフだからと思考停止に陥らないこと!
これを肝に銘じておきましょう。
まとめ
この記事では、トレードオン思考について紹介しました。
トレードオフの関係を俯瞰して、両方の利を得ることができる思考法となっています。
日々の業務でお役に立てば幸いです!
では!